倶楽部メモ:客車倶楽部過去ログ集:客車列車の旅
倶楽部メモSP
交流機の粘着力
EF81の交流区間とED75の性能差は?



倶楽部メモ(294) 平成17年10月11日〜10月18日

投稿者 太田拓也
投稿日 10月16日(日)11時18分6秒
タイトル EF81対ED75
EF81の交流区間での性能はED75より劣るとのことですが、
機関車交換のタイムロスと比較した場合どのくらいの差が出るのでしょうか?

比較サンプルとしては、国鉄末期に秋田で75に交換していた「日本海」、上野〜青森を挙げておきます。
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投稿者 ア・ドン
投稿日 10月16日(日)15時16分48秒
タイトル 単純には決められない
《EF81対ED75 》ですが、単純には決められません。
EF81は歯車比が小さく最高速度110kmED75は最高速度100kmと差が有りますし、ED75は重連総括機能付き。
EF81が性能が劣ると言うのは「空転が多い」「出力比が低い」と言った意味のことではないでしょうか。
カタログデーターでは
ED75 700 定格出力1900kw 引張力14100kg 定格速度49・1km/h
EF81(交流) 定格出力2370kw 引張力18200kg 定格速度46・6km/h
となっており、そんな極端にはかわりません。
ただ、こういった数字上のことは鵜呑みには出来ませんし、
ED75とEF81は用途そのものが根本的に違うと言っても過言ではありません。
EF81はランニングノッチは直流機同様各組み合わせ終わりと弱め界磁しかなく、
フリーに設定できる交流機とはほとんど比べ物になりませんが…それも運用の便利さに交流機は押し潰されてしまいます。
奥羽・羽越線のED75 700〜EF81が良い例です。
ロングランするのにわざわざ交換などしていられない、というわけです。
なお93年暮れの上野〜青森間「あけぼの」牽引機のEF65・ED75からEF81への置き換えの際も
時刻はほとんど変わっていません。
客車列車ではそんな差は出ませんし、JR移行後は、東北スジの寝台特急列車は全て置き換えられてしまいました…が、
貨物はそのままED75を使っており、EF81の運用はほとんどありませんでしたね。
東北線の急勾配が絡んでくるわけなのですがこれも棲み分けの例ですね。
運用の便利さを重視するならEF81、性能を重視するならED75ということではないでしょうか。
単純な性能ではなく用途によって使う機関車を決めるわけです。

…なお余談になりますが仙山線が軌道強化したにもかかわらずEF71が入らなかった理由は、
オーバーハングの関係で車両限界に引っかかってしまうからでした。
むろんEF71が入れないと言うことはEF81も入れません。
ながらくED78を、最近ではED75700を使っています。こういうところも棲み分けの例です。

倶楽部メモ(295) 平成17年10月18日〜10月31日

投稿者 太田拓也
投稿日 10月21日(金)00時27分50秒
タイトル う〜ん
ア・ドンさんありがとうございます。
当方が技術系に疎く、出力などの数字しか知らないので気になったのですが。
交流専用車やインバーター車は粘着力が高く、直流抵抗車との単純比較はできないとのことはきいているのですが。

>急行ときわさん
JR貨物のDD51は最近の更新時にSGを撤去したそうです。
ということは特に大きな工事をしない限り現在でも残っていると思われます。
どうせ空転対策に死重は必要ですし。

ただ現在使えるかというと・・・錆びるか封印されるかしている可能性が高いでしょう。
北陸新幹線開業前、JR東日本・長野の489系は交直流機器が使用不能になっていたという話があります。
189系と同一運用なのでそっち系のメンテがなされず、そのため新幹線開業後に485系として使えず廃車になったそうです。
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投稿者 ア・ドン
投稿日 10月21日(金)03時14分18秒
タイトル 交流機の粘着力
説明不足だったようですな・・・。
一般に交流機のD型の粘着係数は直流機のF型に匹敵すると言われています。
数値上は直流機は0.22(22%)、交流機は0.33(33%)と言われていますが、
この「数値上」というものがクセモノで、ED75は数値上の粘着力には大抵の場合到達してはいません。
よくいって25%程度です。交流機は言われているほど性能が飛びぬけて高いわけではありません。
起動時を例に取ると18%から50%というばらついた測定結果が出ます。
直流機で空転が助長されるのは抵抗制御を行いさらにモーターを直列に接続することが原因です。
この方式では1つのモーターが空転するとそのモーターに加わる電圧が大きくなり、
電圧が大きくなるとさらに空転速度が大きくなると言う悪循環を繰り返すためです。
直流機でも空転検出装置を設け強制的に空転をとめるようにすれば25%程度は期待できるようになります。
交流機と実質上さほどかわりません。
……ただ、初期のEF81は空転検出装置が欠陥品と言っていいものだったため、
25%といった優れた粘着は出せませんでした。
それがおそらくED75に劣るといわれた原因でしょう。
ちなみに無対策の抵抗性御車は12%、無対策のチョッパ制御車は15%と、交流機には遠く及びません。
ただ、それでもEF81は交流区間では定格出力がモーター1個あたり388kw強と言う
低い出力しか出ないと言うことがありますので無駄の多い機関車、と言えるでしょう。
というわけでトータルとしてEF81も(最近は)ED75にそんな劣らないものとなっているわけです。
極端に劣るようであれば奥羽線も東北ブルトレも機種変更などしません。
手間があっても酒田や郡山あたりで付け替えるでしょうね。


SGの話に代わりますがEF5861は装置本体はついていても
ATS−P取り付けの関係で水タンクと燃料タンクを降ろしてしまっているとのことです。
またJR東海の157号機も水タンクは飯田線での重量調整用バラストタンクになってしまっているとか・・。

では。

投稿者 太田拓也
投稿日 10月21日(金)08時08分59秒
タイトル ありがとうございます
ア・ドンさん詳しい話ありがとうございます。

制御方式が違うと、ホントに比較が難しいんですね。
JR東のVVVF車が恐ろしく非力な反面、新形式貨物機が変電所の関係で
「従来の最強機関車と同じ消費電力」で設定されていてVVVFの効用を実感できてません。

>SG
なるほど、正真正銘の死重になってるんですね。
専用機のイメージが強い飯田線になぜ大型機が・・・
と思ったらSG外して軽くしていたのですか。
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