倶楽部メモ:客車倶楽部過去ログ集:客車列車の旅
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蒸気発生装置
旧形客車などはなぜ蒸気を吹いたりするのか?



倶楽部メモ(277) 平成17年 6月13日〜 6月25日

投稿者 PF
投稿日 6月24日(金)20時49分51秒
タイトル お久しぶりです
こんばんわ、いきなりですが質問があります。
旧形客車などはなぜ蒸気を吹いたりするのですか?あと牽引機もなぜ吹くのですか?
教えてください。

投稿者 ア・ドン
投稿日 6月24日(金)22時46分33秒
タイトル 蒸気発生装置
 蒸気暖房用に機関車に蒸気発生装置を積んでおり、そこから蒸気が供給されているからです。
蒸気暖房は牽引する蒸気機関車の蒸気を暖房主管から各車に供給するシステムであり、昭和30年代半ばまで列車暖房の主力でした。
動力近代化に伴う電化、ディーゼル化により蒸気機関車以外が牽引する列車の暖房が課題となり
暖房車を連結しその蒸気を利用する方法
重油燃焼式の蒸気ボイラを使用する方法(EF56・57)
蒸気発生装置(SG)を使用する方法
(EF58・EF61・ED72・ED76・DF50・DD51・DD54・DE10・DE15)
交流1500V電源を利用する方法
(EF57《改造後》・EF58《改造車》・EF62・EF64・EF70・EF71・EF80・EF81・
 ED46(92)・ED70《改造後》・ED71・ED74・ED75・ED77・ED78・ED79
等ができました。

SG搭載機は蒸気を発生しているため余剰蒸気が排出されます。
また、客車は凍結防止等のために水分等を排出する弁がありそこからも蒸気が排出されます。

現在はこれらの機関車側の暖房機関を使用する客車はほとんど姿を消してしまいました。
(ついでですがなぜ復活蒸機列車にあまり旧客を使わないかということについてですが、
蒸機の出力低下を極力ふせぐためと聞いております。
12系・14系はスハフにディーゼル発電機を搭載して客車側で自力で暖房・冷房が供給できます)

ご参考になったでしょうか。また、供述間違いなどあれば皆様ご指摘ください。
参考文献
鉄道ピクトリアル2003・12増刊 鉄道友の会50周年記念「車両研究」〜列車暖房装置を搭載した機関車と列車運行の一考察
鉄道ピクトリアル1985・6月号「スハ43系」特集

倶楽部メモ(278) 平成17年 6月26日〜 7月 9日

投稿者 安房守義将
投稿日 6月26日(日)04時26分46秒
タイトル 大変御迷惑お掛け致しました
 重ねて皆様へ御迷惑お掛け致しました事をお詫び申し上げます。

 ア・ドン様、御投稿の通り在来型一般客車と蒸機運行の関係は、その「湯気」の節約、大いにございます。
 但し、大井川鉄道白井氏に伺ったのは、「熟練度の問題」だとか。
 実際に、C623機の場合、運転の神様とと呼ばれた小樽築港機関区・K氏と、
新人機関士氏との消費石炭は小樽〜ニセコ間往復で2トンの差、1トン36000円でしたから、数重なれば相当なものでした。
 それにSGとなると燃費だけでも相当になりまして、それで小樽築港機関区企画室当初案は14系だったのです。
 しかし、在来型一般車の運行で最大の問題は「人件費」で、
扉が自動で無い為に通常は各扉に扉警要員を置くこととなっておりました。
 JR乗員1日/人25000円でしたから、これを両数分(まぁ1人は運転車掌ですが)となると・・・・
幸い北海道鉄道研究会で団臨運行実績があった事と、災害時の補償は主体者(鉄文協)が負担、となっていたので
「ボランティア代行」が認められたもの。
 手配や人件費、更に責任問題となれば「面倒臭い」と思われるのは必至でして、
それが在来型一般車運行そのものを阻んで来た最大の理由です。
 ちなみに現在の旭川所管車は半自動扉ですが、それは「各扉への扉警省略OK」なのだそうです。
(この扉の扉警云々は運輸省やら法律のレベルでは無く、各JRの勝手によるものです)
 また、蒸気暖房(SG)は今日不要か・・・と言えば必要で、
例えば高崎区スエ又はオハニを組成した場合、そこでEG(電気暖房)回路が途切れるもので、
JR足尾線最終日の「足尾エクスプレス」や1992年の「わたらせエクスプレス」では
「往路桐生及び復路全区間暖欠」(つまり暖房無し)となって参加者は震え上がったものです。
(元来は「DE101705機除く指定運用」と指定したものが「1705機指定運用」と誤認された悲劇で、
まぁ参加者は喜んだものの事実を知る乗務要員は真っ青になりました。)
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