倶楽部メモ:客車倶楽部過去ログ集:客車列車の旅
倶楽部メモSP
客車の向き
客車列車の連結の向きについて・旅客輸送基準規定・基準駅



倶楽部メモ(272) 平成17年 5月11日〜 5月17日

投稿者 丹波
投稿日 5月15日(日)15時53分50秒
タイトル 特急客車の向きと蛍光灯
いつも、参考にさせていただいております。

突然ですが質問させてください。
戦後の客車特急の連結の向きと各車の蛍光灯化について調べています。
編成には特別二等車が食堂車をはさんで連結されていますがこれらのドア位置はすべて同じだったのでしょうか?
また、ナロ10とオシ17以外に蛍光灯化されていた車両があったのでしょうか?
スイテ49が蛍光灯化されていたとの話を聞いたことがあるのですが事実でしょうか?

よろしくお願いします。



投稿者 EF5841
投稿日 5月15日(日)18時11分37秒
タイトル 客車の向き
東海道・山陽の優等車両については、原則的にデッキ(2エンド)側を大阪側にすることを原則としていました。
また、食堂車の食堂室を最優等車両向きとしていました。
スハ44系の特急の場合ですが、つばめ、はと、かもめ、はつかりともデッキを進行方向側としておりました。

ここで、こんなエピソードがあります。
初日の「はつかり」の場合、ナロ10の連結向きが逆でした。
東海道・山陽の大阪向きにデッキをとの原則に従ったために、上野側にデッキがきてしまいました。
翌日からは、進行方向側にデッキをとの原則に従うことになり、初日だけの珍事でした。

蛍光灯化の話ですが、特急用車両では「スロ54」が該当します。

投稿者 丹波
投稿日 5月15日(日)20時09分23秒
タイトル 客車の向き
EF5841様、早速のご回答ありがとうございました。

ということはスロ各車のデッキはスハニ側ということでよいわけですね。
以前どこかで展望車側にデッキがある写真を見たような気がしてずっと気になっていましたが、これですっきりしました。

「はつかり」の話は始めて伺いました。実車でもいろいろイレギュラーなことがあるものですね。

蛍光灯については展望車やマイ38がどうだったかがわかる資料があればと質問させていただきました。
最近LEDタイプの室内灯が出回っていますが、白熱球用のフィルタをつけるかどうかで迷っています。


投稿者 準急ながら
投稿日 5月15日(日)23時42分42秒
タイトル 客車の向き
EF5841さま

>東海道・山陽の優等車両については、原則的にデッキ(2エンド)側を大阪側にすることを原則としていました。

この原則は特別急行に限らず、山陽、山陰、九州行きの急行列車、
東京大阪間夜行の急行列車にも適用されたいたのでしょうか?



投稿者 まろねふ@携帯
投稿日 5月16日(月)06時51分0秒
タイトル 客車の向き 2
横レスで失礼します。
客車の向きに関して、国鉄旅客車の組成方を定めた規定があります。
各客車は各線の基準駅に向かって方向が決められ、東海道線は神戸、山陽線は下関です。
と、ここまで書いておきながら、ただ今引越しの最中で、法規集はおろかパソコンも使用出来ません。
お時間が頂ければ、お調べできますが・・・

投稿者 丹波
投稿日 5月16日(月)07時53分35秒
タイトル 客車の向き
まろねふ@携帯様

「国鉄旅客車の組成方を定めた規定」なるものがあるのですか?
かなり興味があります。その法規集は一般の者でも見ることができる類のものなのでしょうか?
別に急いでおりませんのでよろしくお願いします。

投稿者 まろねふ@携帯
投稿日 5月16日(月)20時23分40秒
タイトル 法規集は
丹波さま

この法規集は、確か『国鉄法規便覧』という部内者用の本です。
内容は、部内規範を始め車両関係規定を中心とした内容です。
実は、数年前に広島市内の某古書店で見つけ、安かったのと何かの参考になればと私が購入しました。

と言うことで、引越し荷物を捜索しておきます。

投稿者 EF5841
投稿日 5月16日(月)21時19分48秒
タイトル 客車の向き4
特ロの向きについて記載しましたが、東海道・山陽において、寝台車の向きは山側通路と決められております。
これは戦前から継承されております。

戦前の特急富士の場合、寝台車以外は編成ごと向きを転換しました。
このため、寝台車の向きを見ればその列車が下りか、上りかがわかりました。

投稿者 EF5841
投稿日 5月16日(月)21時25分57秒
タイトル 客車の向き5
湘南列車も連結の向きが固定されておりましが。
これは、電気暖房のジャンパー線が、山側に固定されていたことによるものです。

客車の向きには法則性があり、運転会等で客車の編成の向きをきちっとしているか否かで、
そのオーナーの見識が大体わかります。

結構、奥の深いものがあります。

投稿者 丹波
投稿日 5月17日(火)01時34分3秒
タイトル 客車の向き
まろねふ@携帯様

ありがとうございます。
内部資料ですか。
検索してもヒットしないわけですね。
捜索結果期待しています。

投稿者 丹波
投稿日 5月17日(火)01時48分27秒
タイトル 客車の向き
EF5841様

えっ、富士って丸ごと方向転換していたんじゃないのですか?!
知らないことばかりで非常に勉強になります。

以前から客車に興味があって、種類や編成については自分なりに調べていたのですが、
向きについては極端に資料が少なく困っておりました。

10系寝台や12系・14系座席なども結構向きがばらばらに編成されていることが多かったように記憶しておりますが、
これにもなにか理由がありそうな気がしてきました。

倶楽部メモ(273) 平成17年 5月17日〜 5月22日

投稿者 EF5841
投稿日 5月17日(火)08時15分50秒
タイトル 客車の向き6
戦前の特急「富士」についてもう少し、追記します。
東京口での方向転換は、蛇窪の三角線を使い「寝台車」以外の方向転換をしております。
なお、三角線が完成する前は東トキ構内のターンテーブルで展望車及び食堂車の向きを変えておりました。
一方、下関(門セキ)では、ターンテーブルにより展望車、食堂車の向きを換え、編成順位を調整しておりました。

もっとも「櫻」は、席の向きが固定されていたこともあり、全ての車両をターンテーブルで方向転換しておりました。

投稿者 まろねふ
投稿日 5月20日(金)15時11分14秒
タイトル 客車の向き 法規集より
先日話題になりました客車の向きは、規定では次のように定められています。

旅客輸送基準規定 昭41・12・10 旅達16
第4章 旅客車
第2節 列車の編成
 第31条
旅客車の方向及び列車の編成順序を定めるための各線の基準駅は、別表第1のとおりとし、
基準駅に近い方向を基準寄り、遠い方向を基準反対寄りとする。
 第32条
旅客車の定位は、原則として、次の各号に定める側を基準寄りの方向に置くものとする。
(1)A寝台車…出入台のある側。但し特急用車両は出入台の無い側。
(2)特別車…片出入台の車両は出入台のある側。但し、特急用車両は出入台の無い側、
両出入台の車両は洗面所のある側又は運転室のある車両は運転室のある側。
(3)A寝台緩急車…車掌室のある側
(4)特別緩急車…車掌室のある側
(5)B寝台車…出入台のある側。但し特急用車両は出入台の無い側。
(6)普通車…片出入台の車両は出入台のある側。但しナハ20スハ44及びスハフ43形式車は出入台の無い側。
両出入台の車両は洗面所のある側。
(7)B寝台緩急車…車掌室の無い側
(8)普通緩急車…車掌室の無い側
(9)食堂車…料理室の無い側
(10)A寝台とB寝台との合造車…A寝台のある側
(11)特別室と普通室との合造車…特別室のある側
(12)食堂と客室との合造車…食堂のある側
(13)客室と荷物室との合造車…荷物室のある側
(14)客室と郵便室との合造車…郵便室のある側
(15)客室と荷物室と郵便室との合造車…荷物室のある側
(16)前各号以外の旅客車…任意

以上です。
手元の法規集の正しい名前は『客貨車関係法規便覧』でした。第31条の別表1は割愛しました。

投稿者 丹波
投稿日 5月20日(金)22時26分50秒
タイトル 客車の向き
まろねふ様

貴重な資料をご教授いただきありがとうございました。

この「客貨車関係法規便覧」という法規集は当時は毎年改定されていたのでしょうか?
ある図書館のHPで検索してみたところ昭和17年版のものが蔵書されているようですので一度閲覧してみようかと思います。

投稿者 丹波
投稿日 5月20日(金)22時44分21秒
タイトル 客車の向き
EF5841様

「寝台車」以外の車両は方転していたとのことですが、寝台車には二等寝台や三等寝台も含まれるのでしょうか?

投稿者 EF5841
投稿日 5月20日(金)22時56分3秒
タイトル 客車の向き
まろねふ様から昭和40年代の旅客輸送基準規程に基づく客車の向きのレポートがありましたが、
昭和30年代においては、東海道・山陽に関しては3等寝台を含めて「山側」通路の原則が生きておりました。

30年代、昼行の急行は九州行(例外:なにわ 電車化以降は六甲、せっつ等があります。)しかありませんでした。
このため、小生、よく寝台車を利用しました。寝台利用時間は寝台券の有無に関わらず乗車できました。

改めて、当時を思いおこせば、例外はありませんでした。

投稿者 EF5841
投稿日 5月20日(金)22時59分39秒
タイトル 訂正
寝台利用時間 > 寝台利用時間以外

まろねふ様に質問です。
東海道・山陽の特ロが、まのねふ様の示された基準と異なる向きをしていたのが、
41年基準に示されるようになったのは、いつの基準かご教示いただけると幸いです。

投稿者 クモイ103
投稿日 5月21日(土)01時16分32秒
タイトル 改定版?
 横レス失礼します。
 まろねふ様、「旅客輸送基準規定 昭41・12・10 旅達16」とのことですが、
内容に「A寝台車」「B寝台車」が含まれていることから、昭和44年5月10日以降に改定されたもののようですね。
改定の履歴は判りませんか?

投稿者 まろねふ
投稿日 5月21日(土)22時06分34秒
タイトル 改定履歴
>クモイ103さま
改定履歴に関しては、昭43・2 旅達5号から昭51・11 旅達86号までが中間省略とのことで、
称号改正時の改定時期が特定できませんでした。

>EF5841さま
私が参考にした旅客輸送基準規定の前文にこのような記述があります。

輸送管理規定(昭和39年4月総裁達第176号)第26条第1号の規定に基づき、輸送需要の動向を把握し、
これに対応する輸送計画を樹立し、安全、性格、迅速、快適かつ公平な輸送サービスを提供すると共に、
旅客輸送の安定的伸長と経営能率の向上を図ることを目的として、旅客輸送基準規定を次のように定める。

と、あります。
私はこの総裁達が発令された昭和39年が基準となったと考えますが、いかがでしょうか? 
全くの憶測ですが、新幹線開業を機会にそれまでの慣例が変ったと思いますが…

投稿者 まろねふ
投稿日 5月21日(土)22時31分16秒
タイトル 基準駅
割愛しました、旅客輸送基準規定第31条別表1に定めた、基準駅一覧です。

東海道本線…神戸
東海道新幹線…新神戸
北陸本線…米原
高山本線…岐阜
中央本線…東京
山陽本線…門司
山陽新幹線…小倉
播但線…姫路
山陰本線…幡生
関西本線…名古屋
紀勢本線…亀山
東北本線…東京
東北新幹線…大宮
上越新幹線…大宮
常磐線…上野
高崎線…大宮
上越線…高崎
奥羽本線…福島
羽越本線…新津
信越本線…高崎
総武線…東京
予讃本線…宇和島
高徳本線…徳島
徳島本線…徳島
土讃本線…終端駅
鹿児島本線…鹿児島
鹿児島新幹線…博多
長崎本線…長崎
久大本線…大分
豊肥本線…大分
日豊本線…鹿児島
筑豊本線…若松
函館本線…函館
室蘭本線…長万部
日高本線…分岐駅
留萌本線…終端駅
根室本線…滝川
宗谷本線…旭川
名寄本線・・・遠軽
石北本線…新旭川〜遠軽:新旭川 遠軽〜網走:網走
繊毛本線…東釧路

これを入力しながら気付いたのですが、現在の山陽新幹線、小倉〜博多間の正式名称は『鹿児島新幹線』なんでしょうか…?

投稿者 EF5841
投稿日 5月22日(日)16時01分47秒
タイトル 基準駅
まろねふ 様

基準駅のご教示ありがとうございます。
一覧を見ていて気になったのが、鹿児島本線の基準駅と日豊本線の基準駅が共に鹿児島である点です。
こんな突込みをしてはいけないのかもしれませんが、鹿児島ではさかさまになるのですか?

倶楽部メモ(274) 平成17年 5月22日〜 5月30日

投稿者 まろねふ
投稿日 5月22日(日)21時03分11秒
タイトル Re:基準駅
>EF5841さま
ご指摘の通り、鹿児島駅を中心に考えると、日豊本線と鹿児島本線では方向が逆になりますね。
例えば、急行『かいもん』と『日南』は西鹿児島到着時には逆向きですが、
実際には、上り『かいもん』→下り『日南』→上り『日南』→下り『かいもん』と循環運用し方向を揃えていますね。
運用の前後での方向が基準に合えば、運用途中で始発駅に戻った場合に向きが変っても構わないのではないでしょうか?

倶楽部メモ(276) 平成17年 6月 6日〜 6月12日

投稿者 丹波
投稿日 6月 7日(火)17時49分5秒
タイトル 客車の向き
昭和36年交友社発行の客貨車関係法規便覧を閲覧してきましたのでご報告いたします。
手入力のため誤字があるかもしれませんがご容赦ください。
以下は昭和33年9月の総裁達第494号を昭和35年5月12日付け総裁達第25号で改訂したものと思われます。

客車の種別 定位
(1)食堂車 料理室を反対寄
(2)2等室と食堂車の合造車 2等室を反対寄
(3)片出入台の客車 出入台を基準寄
(4)1等緩急車 車掌室を基準寄
(5)2等寝台車 給仕室を反対寄
(6)2等寝台と他の車室との合造車 2等寝室を基準寄
(7)2等寝台緩急車及び2等緩急車 車掌室を基準寄
(8)2等室と他の車室との合造車 2等室を基準寄
(9)2等車 便所を基準寄
(10)2等緩急車 車掌室を反対寄
(11)荷物室と他の車室との合造車 荷物室を基準寄
(12)郵便室と他の車室との合造車 郵便室を基準寄
(13)郵便車及び荷物車 車掌室を基準寄
(14)前各号以外の客車 任意

これを見ると教えていただいたとおり回廊のある寝台車は例外なく山側通路になるようです。

昭和17年のものについては現在請求中ですので、入手次第改めてご報告いたします。

投稿者 丹波
投稿日 6月12日(日)00時11分20秒
タイトル 客車の向き
昭和17年の客貨車関係法規便覧を入手しましたのでご報告いたします。
結論から申し上げますと、今回入手した資料には該当の項目は含まれておりませんでした。
前回閲覧した昭和36年の法規便覧では
第1章:運転、
第2章:検査、
第3章:修繕
と続きその後の第4章:輸送の中に該当部分が記載されていましたが、今回のものは
第1編:建設規程、運転規則その他、
第2編:車両称号、塗色及び標記その他、
第3編:検査、
第4編:輪軸及び軸箱、
第5編:担バネ、
第6編:自動連結器及び暖房装置、
第7編:ブレーキ装置、
第8編:修繕及び掃除、
第9編:省外貨車、
第10編:貨物輸送、
第11編:雑、
といった内容で旅客輸送に関する規程は含まれていませんでした。
別の資料でそれらしいものがありましたので現在そちらを手配中です。
結果がわかりましたらまたご報告いたします。

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